この本の存在を知ったのはずいぶん前で、管理職になってしばらく経った頃だったように思う。タイトルがストレート過ぎて手に取る勇気がなく、今まで読まずにきた。

管理職時代に犯した罪がいくつもあるが、最後の年に独りの仲間を闇に堕とした。休職期間を経て無事復帰してくれたが、堕ちていくまでの間自分はいったい何を視ていたのかと。
そんな彼が2年前の異動でまた同じ部署に。時々発する不安定な言動や、虚ろな眼差し。二度とあの過ちは犯したくないの一心で、自分でも過剰かと思うほどの会話をした。
そんな彼が図書館でアドラーの本を借りてきて読んだら、自分が言ってることがいっぱい書いてあると。堀田=アドラーファンなのか?だって(笑)。
いやいや、アドラーの本は読んだことないですよ。なんて言ったら、逆に驚かれた…

そんな訳でアドラーって何よがてら、避けていたこの本を入院中のお供にすることにした。
なんでこんなタイトルなのか中盤まではワケワカメ。その意味がわかる中盤以降、終盤にかけては下手な推理小説よりもよっぽど面白い。でも、登場する青年と同じように抱えたものがない人には何も響かないようにも感じる。
対話形式で読みやすいこともあるが、どれだけ自分事に置き換えながら読むことができるか。そして、迷った時にこの考え方に戻ってこられるか…
いくつもの「勇気」が必要だ。

この本を手に取るきっかけを与えてくれた彼に感謝。

Tags:

コメントを残す